サンプル自治会

一ツ物

高砂市曽根町の曽根天満宮では、10月13日と14日の両日に一ツ物神事が行われる。一ツ物は曽根地区から1人、 伊保地区から1人、阿弥陀西から1人、阿弥陀東から1人の計4人が選ばれる。

5・6歳の男子で、衣装は浅葱[あさぎ]と紫地[むらさきじ] の狩衣[かりぎぬ]に、山鳥の羽根を立てた山笠を被[かぶ]り、 襟[えり]に中啓[ちゅうけい]をさす。白く化粧をした顔の額に八ノ字を小さく書く。また行事頭人[ぎょうじとうにん]は7・8歳の男子1人を選び、 白の浄衣[じょうえ]に侍烏帽子[さむらいえぼし]をつけ、額に墨で品を書いて中啓[ちゅうけい]を持たせる。

行事は13日の宵宮、一ツ物と行事頭人は早朝に馬でシオカキに行く。夕刻になると青年の肩車で宮入し、拝殿で盃[さかずき]の儀を行う。 14の昼宮では一ツ物は午前中に村回りをし、清書元[せいしょもと]の家から馬に乗り宮入りする。この時、水色の坊主頭巾[ずきん]に派手な長襦袢[ながじゅばん] を着流し地下足[じかたび]袋姿の若衆が馬の口取りをし、口取歌[くちどりうた]を歌って道中する。

一ツ物を先導する幟旗[のぼりばた]は本殿前で勢よく地突[じづ]きして青竹を割る。馬上の一ツ物も神社の門前に着くと若衆に馬上から抱きかかえられ、 一気に拝殿まで走り込む。拝殿では一ツ物と行事頭人が所定の場所に座る。和供[にごく]を神饌所[しんせんしょ]から神殿までの間を一ツ物・行事・役員・総代等が 一列に並んで手渡しする。和供神事[にごくしんじ]が済むと馬上の一ツ物が神社の境内を左回りに巡行する。
*兵庫県立歴史博物館WEBより抜粋